「他の人とはこんな気持ちにならないのに、△△△と一緒に居ると…。本当に不思議ね、人の感情って」
「そう言ってもらえると、男としてとても光栄に思うよ」
「あなた子供は?まさか、未だ出来ないんじゃないでしょうね?」
「御明察、まだだよ。別に問題が有るとかいう事ではないんだけどね。ただこんないい加減な男が父親になって良いんだろうか、と思って迷ってるだけ」
「そんなのは父親になってから考えれば良い事じゃない、はやく子供作りなさい!」
「はいはい、気が向いたらね。でも、パンちゃんとだったら、何か変わってたかもしれないね」
半分、冗談で言った言葉だったが、彼女の反応は意外とシリアスなものだった。
「あなたがタイ人だったら…、間違いなく貴方の事をパートナーにしてたわよ。そう、Husbandにね。でも貴方は日本人で、奥さんがいて、そして暫くはバンコクにも来れない。解ってるから」
「ごめんね、と言うべきかな。でもさ、パンちゃん、もしかしたら、貴女と僕が夫婦になってて、子供がいて…って、そう考えるだけでも楽しいじゃない」
余韻を楽しむかのように、二人は暫く何も話さずに抱き合ったままだった。
モーニングコールで現実に引き戻された。
30分くらいウトウトとしていたのだろうか、彼女が帰る時間になっている。
「ねぇ、さっき話したように、私、多分、バンコクに一人で戻ってこなければいけないんだけど…、どの位助けてくれる?」
まだ、起き抜けで、頭が働いていなかった私は、財布の中には確か10,000Btくらいはキャッシュが有った事を思い出し、「うん?一万くらいでいい?」と答えた所、彼女の態度が豹変した。
「あなた何言ってるの!?もうバンコクには戻ってこないんでしょ。私は貴方しか頼る人がいないのに…、もういいわよ!!」
おそらく、以前の私ならこの言葉に逆ギレしていたか、動揺して何も言い返せなかったかもしれないが、過去何度も痛い目を見てきた事で、この状況に冷静に対処する事が出来た。
「パンちゃん、落ち着いて聞いて。貴方は自分で幾ら必要なのか、何故必要なのかの説明も無しに怒ってるよね。僕だって貴方に出来るだけの協力はしたいと思ってるけど、何も説明してくれないで幾らって聞かれても困っちゃうよ。だから何故、そして大体幾らくらい必要なのか話してごらん」
私の冷静な説明に、彼女も落ち着きを取り戻したのか、「ごめんなさい。そうね何も具体的に話してなかったわよね。アパートを借りたり何だりで、多分20,000~30,000Btくらいは必要なの」
私は黙ってスーツの財布の中から、有り金全部を抜き出して、キャッシュで15,000Btと200米ドルとを差し出した。
彼女も、まさか言った通りの金額が、直ぐに出てくるとは思っていなかったらしく、暫し無言のままでそれを見詰めていたが、こちらの意図がわかったらしく、「コップンマークカー」と言いながら抱きついてきた。
この辺りが、彼女は本当に頭の回転が早いと実感する所である。
つまり、私にとって、その金額自体はムチャな金額ではないが、それを彼女に手渡すべく、自分を納得させる為に彼女の口から説明を求めたのであって、内容が本当か嘘かは、さして重要な問題ではないという事が彼女にも暗黙のうちに伝わったのだろう。
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「そう言ってもらえると、男としてとても光栄に思うよ」
「あなた子供は?まさか、未だ出来ないんじゃないでしょうね?」
「御明察、まだだよ。別に問題が有るとかいう事ではないんだけどね。ただこんないい加減な男が父親になって良いんだろうか、と思って迷ってるだけ」
「そんなのは父親になってから考えれば良い事じゃない、はやく子供作りなさい!」
「はいはい、気が向いたらね。でも、パンちゃんとだったら、何か変わってたかもしれないね」
半分、冗談で言った言葉だったが、彼女の反応は意外とシリアスなものだった。
「あなたがタイ人だったら…、間違いなく貴方の事をパートナーにしてたわよ。そう、Husbandにね。でも貴方は日本人で、奥さんがいて、そして暫くはバンコクにも来れない。解ってるから」
「ごめんね、と言うべきかな。でもさ、パンちゃん、もしかしたら、貴女と僕が夫婦になってて、子供がいて…って、そう考えるだけでも楽しいじゃない」
余韻を楽しむかのように、二人は暫く何も話さずに抱き合ったままだった。
モーニングコールで現実に引き戻された。
30分くらいウトウトとしていたのだろうか、彼女が帰る時間になっている。
「ねぇ、さっき話したように、私、多分、バンコクに一人で戻ってこなければいけないんだけど…、どの位助けてくれる?」
まだ、起き抜けで、頭が働いていなかった私は、財布の中には確か10,000Btくらいはキャッシュが有った事を思い出し、「うん?一万くらいでいい?」と答えた所、彼女の態度が豹変した。
「あなた何言ってるの!?もうバンコクには戻ってこないんでしょ。私は貴方しか頼る人がいないのに…、もういいわよ!!」
おそらく、以前の私ならこの言葉に逆ギレしていたか、動揺して何も言い返せなかったかもしれないが、過去何度も痛い目を見てきた事で、この状況に冷静に対処する事が出来た。
「パンちゃん、落ち着いて聞いて。貴方は自分で幾ら必要なのか、何故必要なのかの説明も無しに怒ってるよね。僕だって貴方に出来るだけの協力はしたいと思ってるけど、何も説明してくれないで幾らって聞かれても困っちゃうよ。だから何故、そして大体幾らくらい必要なのか話してごらん」
私の冷静な説明に、彼女も落ち着きを取り戻したのか、「ごめんなさい。そうね何も具体的に話してなかったわよね。アパートを借りたり何だりで、多分20,000~30,000Btくらいは必要なの」
私は黙ってスーツの財布の中から、有り金全部を抜き出して、キャッシュで15,000Btと200米ドルとを差し出した。
彼女も、まさか言った通りの金額が、直ぐに出てくるとは思っていなかったらしく、暫し無言のままでそれを見詰めていたが、こちらの意図がわかったらしく、「コップンマークカー」と言いながら抱きついてきた。
この辺りが、彼女は本当に頭の回転が早いと実感する所である。
つまり、私にとって、その金額自体はムチャな金額ではないが、それを彼女に手渡すべく、自分を納得させる為に彼女の口から説明を求めたのであって、内容が本当か嘘かは、さして重要な問題ではないという事が彼女にも暗黙のうちに伝わったのだろう。
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