ロイカートンの夜
彼女は背が高く、細身ですらりと長い手足をしていた。
彼女が歩くと、外国人もタイ人も振り返るほどの美人であったし、実際、彼女とすれ違いざまに彼女を見て、スーアイと口にする女性たちが何人もいた。
顔は面長で大きな目をしている。
吸い込まれそうなこの眼で見つめられると、僕はいつもメロメロになってしまっていた。
彼女は少し、額が広く、額を見せることを恥ずかしがっていた。
左の耳には、少し大きめのいぼのようなものがあり、人前ではあまり髪を上げることがなかった。
そして、彼女は歯の矯正をしていた。
笑顔になると、歯には銀色の矯正具が光った。
僕が今でも大切にしている彼女の写真のほとんどのものには、歯に矯正具がはっきりと写りこんでいる。
時折、痛みがあるようで、痛め止めの薬を口にしていた。
ひどいときには、食事ができずにいて、かわいそうになるくらいだった。
みんなからは、きれいだねといわれる反面、彼女は、自分に対してある種のコンプレックスを持っていたけれど、僕はそんな彼女のことが大好きだった。
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彼女が歩くと、外国人もタイ人も振り返るほどの美人であったし、実際、彼女とすれ違いざまに彼女を見て、スーアイと口にする女性たちが何人もいた。
顔は面長で大きな目をしている。
吸い込まれそうなこの眼で見つめられると、僕はいつもメロメロになってしまっていた。
彼女は少し、額が広く、額を見せることを恥ずかしがっていた。
左の耳には、少し大きめのいぼのようなものがあり、人前ではあまり髪を上げることがなかった。
そして、彼女は歯の矯正をしていた。
笑顔になると、歯には銀色の矯正具が光った。
僕が今でも大切にしている彼女の写真のほとんどのものには、歯に矯正具がはっきりと写りこんでいる。
時折、痛みがあるようで、痛め止めの薬を口にしていた。
ひどいときには、食事ができずにいて、かわいそうになるくらいだった。
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数年前、僕は友人のIさん(タイではコボリと名乗っていた)と一緒にスティサンのバーで酒を飲んでいた。
Iさんはその昔ベトナムに駐在していて、今はバンコクをこよなく愛する中年で、僕とは1周りほど歳が離れている。
日本では金払いのいいIさんだが、バンコクに来ると何故かとてもケチになる。
そんな彼が、その日に限って、とても金払いがよく、店のママや店員にも100B札をばら撒いていたので、この日のことがとても印象に残っている。
入店してすぐ、ママは僕たちをテーブルへと案内する。
客の姿はほとんどなく、薄暗い店にいるのは、客も含めて、僕たち以外はみんなタイ人だった。
テーブルに着くと僕たちは、ハイネケン大瓶を注文し、ひとまず、タバコに火をつけた。
2人で乾杯をし、しばらくすると、Iさんとママが2人で話をし始めた。
何もすることがなくなった僕は、トイレに行くことにした。
ナナやソイカ以上に汚いトイレに辟易しながらテーブルに戻ると、Iさんとママのほかに知らない女性が座りIさんと話し込んでいた。
僕がトイレに行っている短時間の間に、Iさんはもう夜の相手を決めていたようだ。
ママは戻ってきた僕に向かって、しきりにあの娘はどうか、この娘はどうかと薦めてくる。
何人かお断りをした後、更衣室のドアの横にちょこんと立っていた娘を僕に薦めてきた。
正直、顔も良く見えなかったが、断り続けるのも悪いと思った僕は、彼女を指名することにした。
僕の隣に座った彼女は、僕には話しかけずに、ママやIさん、Iさんの隣に座っているBにばかり話しかけていた。
正直、きれいだけど、はずれを引いてしまったと後悔し、一人でタバコを吸い、酒を飲み、誰とも口をきかずに数分間を過ごしていた。
しかし、しばらくすると、Iさんのタイ語のヒアリング力と語彙力が足りなかったようで、途中から、僕が通訳を行う場面が出てきた。
それまで僕は、タイ語は話せないと言ってあったため、周りのみんなは少し驚くとともに、僕とも話しをするようになってくれた。
そして、僕の隣に座った娘も、急に僕に向かって話をするようになっていた。
改めて、お互いに自己紹介をする。
彼女の名前はN。
年は2○才で普段は学生。
店で働いてまだ4日目であること、店ではまだ指名を受けたことがないこと等・・・。
彼女に対する僕の第一印象は変わり、時間はあっという間に過ぎていた。
気が付くと2時で、僕は3時には日本へ帰るために空港へと向かわなければならなかった。
名残惜しさを残しながら、僕は店を出ることをママに伝えた。
ママはしきりに、Nは僕のことを気に入っっているから、今夜一緒に居ろと勧めてきたが、僕は、1週間後にまたタイを訪ねてくると、ママと彼女に約束し、Iさんとともに帰路へとついた。
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日本では金払いのいいIさんだが、バンコクに来ると何故かとてもケチになる。
そんな彼が、その日に限って、とても金払いがよく、店のママや店員にも100B札をばら撒いていたので、この日のことがとても印象に残っている。
入店してすぐ、ママは僕たちをテーブルへと案内する。
客の姿はほとんどなく、薄暗い店にいるのは、客も含めて、僕たち以外はみんなタイ人だった。
テーブルに着くと僕たちは、ハイネケン大瓶を注文し、ひとまず、タバコに火をつけた。
2人で乾杯をし、しばらくすると、Iさんとママが2人で話をし始めた。
何もすることがなくなった僕は、トイレに行くことにした。
ナナやソイカ以上に汚いトイレに辟易しながらテーブルに戻ると、Iさんとママのほかに知らない女性が座りIさんと話し込んでいた。
僕がトイレに行っている短時間の間に、Iさんはもう夜の相手を決めていたようだ。
ママは戻ってきた僕に向かって、しきりにあの娘はどうか、この娘はどうかと薦めてくる。
何人かお断りをした後、更衣室のドアの横にちょこんと立っていた娘を僕に薦めてきた。
正直、顔も良く見えなかったが、断り続けるのも悪いと思った僕は、彼女を指名することにした。
僕の隣に座った彼女は、僕には話しかけずに、ママやIさん、Iさんの隣に座っているBにばかり話しかけていた。
正直、きれいだけど、はずれを引いてしまったと後悔し、一人でタバコを吸い、酒を飲み、誰とも口をきかずに数分間を過ごしていた。
しかし、しばらくすると、Iさんのタイ語のヒアリング力と語彙力が足りなかったようで、途中から、僕が通訳を行う場面が出てきた。
それまで僕は、タイ語は話せないと言ってあったため、周りのみんなは少し驚くとともに、僕とも話しをするようになってくれた。
そして、僕の隣に座った娘も、急に僕に向かって話をするようになっていた。
改めて、お互いに自己紹介をする。
彼女の名前はN。
年は2○才で普段は学生。
店で働いてまだ4日目であること、店ではまだ指名を受けたことがないこと等・・・。
彼女に対する僕の第一印象は変わり、時間はあっという間に過ぎていた。
気が付くと2時で、僕は3時には日本へ帰るために空港へと向かわなければならなかった。
名残惜しさを残しながら、僕は店を出ることをママに伝えた。
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1週間後、僕は再びスティサンのバーにいた。
店に入ると同時にママが僕を迎え入れ、Nを呼ぶ。
彼女はとびっきりの笑顔で僕に抱きついてきた。
ビールを飲みながら、ひとしきり再会を祝った後、僕と彼女は店を出ることにした。
客引きに声をかけ、タクシーを呼んでもらい、僕たちはソイカへと向かった。
タクシーに乗っている間、携帯電話を持っていなかった彼女に、もし本気で僕の恋人になるつもりがあるのなら、次に会うとき携帯電話を買ってあげるよと伝えると、彼女は笑顔で恋人になることを承諾してくれた。
ソイカに着くと、ロングガンに向かった。
彼女はソイカを知らなかった。
ディスコに向かうと思っていたらしく、席についてもつまらなそうに、所在なさげにしていたため、僕らはすぐに店を出た。
そばにあるホテルに入ると、彼女はとてもとても恥ずかしそうにしていたし、振る舞いはこのような状況に慣れているとはとてもいえないものだったが、僕たちはその夜初めて結ばれた。
結ばれた後、僕に何度もキスをしてくる彼女がとてもいとおしく思えた。
そしてこの時、彼女が過去に商売で人と寝た経験がないことを初めて知った。
翌日から、僕はひとりでプーケットへとダイビングに向かった。
夜になると、Nの友達から僕の携帯に電話がかかってきた。
電話に出ると、その声はNの友達ではなく、まぎれもないNの声であることに驚きながらも、嬉しくなり、「キトゥーン」と連呼する彼女に、「会いたい」という感情が高まったことを今でも覚えている。
数日後、バンコクに戻ってから僕は、MBKでNOKIAの携帯電話を買い、Nに会うためにスティサンへと向かった。
携帯電話を差し出すと、彼女はとてもうれしそうに袋を抱えて更衣室へと走っていった。
僕のもとへと戻ってきたのは30分後。
携帯を充電しながら、説明書を読んでいたらしい。
僕はなかなか戻ってこない彼女にいらいらしながらも、戻ってきたときの彼女の笑顔で、怒る気力もなくなってしまっていた。
この時点で、僕は彼女にどっぷりとほれ込んでしまっていた。
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ソイカに着くと、ロングガンに向かった。
彼女はソイカを知らなかった。
ディスコに向かうと思っていたらしく、席についてもつまらなそうに、所在なさげにしていたため、僕らはすぐに店を出た。
そばにあるホテルに入ると、彼女はとてもとても恥ずかしそうにしていたし、振る舞いはこのような状況に慣れているとはとてもいえないものだったが、僕たちはその夜初めて結ばれた。
結ばれた後、僕に何度もキスをしてくる彼女がとてもいとおしく思えた。
そしてこの時、彼女が過去に商売で人と寝た経験がないことを初めて知った。
翌日から、僕はひとりでプーケットへとダイビングに向かった。
夜になると、Nの友達から僕の携帯に電話がかかってきた。
電話に出ると、その声はNの友達ではなく、まぎれもないNの声であることに驚きながらも、嬉しくなり、「キトゥーン」と連呼する彼女に、「会いたい」という感情が高まったことを今でも覚えている。
数日後、バンコクに戻ってから僕は、MBKでNOKIAの携帯電話を買い、Nに会うためにスティサンへと向かった。
携帯電話を差し出すと、彼女はとてもうれしそうに袋を抱えて更衣室へと走っていった。
僕のもとへと戻ってきたのは30分後。
携帯を充電しながら、説明書を読んでいたらしい。
僕はなかなか戻ってこない彼女にいらいらしながらも、戻ってきたときの彼女の笑顔で、怒る気力もなくなってしまっていた。
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次の訪タイ時に、僕と彼女はチャーン島へと、遊びに行く約束を電話で交わしていた。
バンコクに着いた晩に店に会いに行くと、いきなり彼女は僕を連れて母親の元へと向かった。
彼女の母親は、バンコクのはずれのとある市場で、店を構えていた。
初めて会う僕に、母親は優しいまなざしで、ワイをして出迎えてくれた。
僕のことを、あらかじめ母親に説明してくれていたようであった。
母親の店は繁盛しているようで、Nは母親の仕事を、洋服が汚れないように注意しながら手伝っていた。
忙しさが一段落したのを見計らい、僕たちはホテルへ帰ることになった。
ホテルに着くと、Nは僕だけを残し、友達の家に預けてある服を取ってくると言い、そのまま出かけてしまった。
僕は少しやきもきしながらも、朝まで仮眠をとることにした。
しかし、約束の時間になっても、彼女がホテルに戻ってくることはなかった。
僕は、騙されたんだなと思い、むかつきながらも、約束の時間が過ぎても、1時間ほどホテルで彼女を待った。
結局、電話も繋がらず、彼女も来なかったため、僕はチャーン島に向かうべく、一人バスターミナルへと出発した。
バスターミナルについてからも、僕は1時間ほど、彼女の携帯に電話をかけ続けた。
でも、やっぱり繋がらない。
僕はとても困惑した。
信じていたのに、裏切られてしまったことがとても悔しかった。
それまで僕は、タイの女の子たちに本気で惚れたことはなかったし、一人の女性に執着するということはほとんどなかった。
でも、このとき僕は凄く彼女が好きで、嫉妬深くなっているということに自分自身で気が付いた。
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母親の店は繁盛しているようで、Nは母親の仕事を、洋服が汚れないように注意しながら手伝っていた。
忙しさが一段落したのを見計らい、僕たちはホテルへ帰ることになった。
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僕は少しやきもきしながらも、朝まで仮眠をとることにした。
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プロフィール
山岳民族の雄
メビウスのポーンちゃんです。
タイの少数民族出身の43歳!!
ある日本人の援助でチェンマイ大学の日本語学科を卒業し、今はタイのチェンライで日本文学を研究しています。
日本人の旦那さんと一児の母
よろしくお願いいたします。
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