メビウスの輪


このブログでは日本人男性が描く、タイ人女性
との正解のない恋愛小説を公開しています。

どんなに傷つけあってもメゲない、日本人男性
独特の優しさと強さ(弱さも)から紡ぎ出される
愛の軌跡を追ってみましょう!

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第2章

メビウスの輪、第2章 (9)

次の朝、気がついたらもう10時近くになっていた。
あわてて1階のビュッフェで朝食を済ませヒアンに電話かけた。

今日はパトナムへ行ってニセブランドバッグを買わねばならない。
診療所のスタッフへのおみやげ用だ。

風呂屋のオープンする2時までには用事を済ませておきたい。
ホテルへ駆けつけたヒアンの車でパトナムへと向かった。

ニセブランドを漁りながらも我輩の頭の中は堂々巡りを繰り返している。

「これからどうしよう。今日の夜はどうしてもマイではなくオーンと寝たい。ということは昼間は他の風俗を梯子してから夜ナタリーへ行ってそのままホテルに連れ込むのがベストだな。だけど昨日は何も考えずに2時に約束しちゃったもんなー。よし、決まった。2時にナタリーへ行ってオーンをくどいて、仕事が終わったらホテルへ来てもらおう。その間に別の風呂屋で遊べばいい。もしオーンがダメだったら、しょうがない、その時はソイ6へ行ってマイを連れ出そう。計画は綿密に、昨日の過ちは繰り返さないぞ。ウッシッシッ。」

買い物を済ませナタリーに着いたのは丁度2時だった。

なじみのコンシアは「先生、こんな時間に珍しいね。どうしたの?」

「昨日のオーンちゃんと2時に約束したの。」

「えっ、ちょっと待って、オーンは遅刻が多いんだよ。」と言ってあわててオーンの携帯に電話を入れていた。

「しまった。先に他の風呂屋に行っておけばよかった。」

とりあえずビールとつまみを注文し、ヒアンと世間話をしながら待っていると20分程でオーンは到着した。

「本当に2時に来てくれたの?ゴメン、日本人の客って約束守ったためしがないから。」

息を切らせながら言い訳して我輩の横に座った。

ビールもつまみもまだ残っていたので「食事は?」と勧めたのだが「お腹いっぱい。オレンジジュースでいい。ところであなたは食事済んだの?」

言われてみれば我輩も昼飯はまだだし、ヒアンに至っては朝も昼もまだだ。
ヒアンは「マイペンライ」と言うが、こういうところで気を利かせるのがタイ人と上手につきあうコツだ。

それに時間がたっぷりあるとまた2発抜かれてしまう。

今日これからのことを考えれば、ここで食事でもしてもう少し時間をつぶすのが得策かもしれない。
それにこれからヤれるとわかっている女とこうして時間を過すのもいいもんだ。


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メビウスの輪、第2章 (10)

オーンはヒアンと二言三言会話をかわすと(タイ人同士だと速すぎて聞き取れない)食事を注文した。

「この店はヌアの女の子が多いからもち米も用意してあるの。それと辛くないものだけをパクチー抜きで注文したから。」

この女なかなか賢い。

昨日何気なく交わした会話、我輩がタイではうるち米は口に合わないがもち米は食えること、辛いものとパクチーの臭いがダメなことをちゃんと覚えていた。

しかし自分で勝手に注文してしまうので、「やられたかな?」と思った。
ちなみにもち米はヌア人、イサーン人の主食である。

皿に山盛りのもち米が置かれたので「こんなにたくさん食えないよ。」と言うと、「大丈夫、半分私が食べるから。」何だ、お腹すいてるんじゃないか。

スプーンとフォークでぎこちなさそうに食べているので我輩は指でもち米をつまみながら「手で食べた方が食べやすいだろう。」と言うと、「エヘヘヘヘ」と笑いながら慣れた手つきで食べ始めた。

なかなか素直でよろしい。

こうして3人で世間話をしながら食事を楽しんでいたのだが、酒が回ってきたヒアンがコンシアと一緒になって我輩のナタリーにおける過去の遍歴を暴露し始めた。

ヒアンはまだしもこのコンシア、「客の秘密は絶対にしゃべらない」という水商売の基本を知らないのか?

しかし最後にこのコンシアは「でもね、先生が2日続けて来たのはオーン、君が初めてだよ。」このコンシアにチップ100B。

気がついたら1時間経っていた。
チェックビンしようとするとオーンは「昨日チップたくさん貰っちゃったし、ちゃんと約束通り来てくれたのに遅刻しちゃったから私のおごり。」と言って金を払わせようとしない。

こうなるとこちらも引っ込みがつかないし、我輩は風俗嬢のこうした心遣いに非常に弱いのだ。

コンシアに「じゃあ時間もなくなってきたからダブルで。」と言って3,400B払ってしまった。
既に予定が狂いはじめている。

ヒアンはこれから仕事があるということで7時に部屋で待ち合わせの約束をして去っていった。
個室に入るとまずディープキッス、昨日とは感触が全然違う。

こちらの思い込みかもしれないが男と女というのは、たとえそれが金のためであっても、一度体を合わせてしまうと他人ではなくなる。

濃厚な一戦を終え二人でベッドに横になっていると何か熱いものがジーンと胸に込み上げて来た。
こんな気分を味わうのは9年前、ポール・マッカートニーの東京ドーム以来である。

長年積もり積もった体内のストレスがスーと抜けていく気分、我輩もまだ若いかな?



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メビウスの輪、第2章 (11)

我輩は既にオーンにメロメロになっていた。
もう今日の計画などどうでもいい、明日の朝までこの子と居たい。

エージェント付でないことは聞き出した。

問題は男がいるかどうかだ。

男がいるとホテルに来て朝まで居てくれる確立が低い。

帰国日の朝の5時とか6時に女に帰られちゃうとシラけるんだよね。

せめて9時まではいて欲しい。
いや、それよりも問題は我輩と外へ出てくれるかどうかだ。

まあほとんどの子がデートOKだが中には絶対出ない子もいる。

万が一この子を逃したら、、、、昨日のサイアムの恐怖が脳裏をよぎった。

金はどうでもいい、確実に連れ出す方法を考えよう、連れ出せさえすれば後はどうにかなるだろう。
ふと横を見るとオーンがあの悪戯っぽい微笑みを浮かべながら我輩を見つめている。

ウッ、やっぱり可愛い、もうダメ、無抵抗。

「オーン、時間は6時20分まででしょ。もし僕があと3回分のお金を払ったらどうする?」

「エヘヘヘヘ」

「7時にヒアンと食事する約束したでしょ。でも男同士じゃつまらないからオーンも一緒だとうれしいんだけどな。」

話が終わらないうちにオーンはベッドから飛び起き、「じゃあ早く体洗って出かけましょ。」

なあんだ、簡単に第一関門通過。

これからが我輩の腕の見せ所、えっ?出かける?あの、、まだ5時だし、、、そっ、、その、、もう1回、、まあいいか、ホテルへ連れ込めばいつでもヤレるのじゃ。

1階で支払いを済ませオーンの着替えを待っているとコンシアが寄ってきた。

「これからデート?先生はやさしいから心配ないって私からオーンに言っておいたからね。ホテルでもどこでも連れてって。」ミエミエのチップ要求。

しかしここはナタリー、これからも絶対に世話になる。コンシアは味方につけとく必要がある。チップ100B。

「遅くなってゴメンなさい。」10分後、オーンはジーンズ姿で現れた。
実は我輩は以前、このようにミラージュから連れ出した女に食事だディスコだと連れ回され、あげくのはてにバイバイされた苦い経験があるのだ。

コンシアに文句を言ったのだが取り合ってくれなかった。
今回は慎重にせねば。

店を出るとオーンはまるで恋人同士のように我輩に寄り添ってくる。
この子本当に新人なのか?

「これからどうする?」オーンが聞いてきた。

ここが正念場、「あっ、あの、ヒアンと7時に待ち合わせたでしょ。ぼっ僕の部屋へ来る?」

「えっ、お部屋?怖ーい。エヘヘヘヘ。」
こいつ絶対新人じゃない。

まあいいか、とりあえず部屋の連れ込みには成功。



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メビウスの輪、第2章 (12)

エメラルドホテルはJF有りだが午後9時前だったら連れ込み自由である。

「オーン、たまにはこうやってお客さんとホテルに来るの?」

「ううん、私まだ4月にこの仕事始めたばかりだもん、これが初めて。」

部屋に入るとオーンは我輩の膝に座り両手を首に回してきた。
(初めてにしちゃ怖がる様子が全然ないな。)

「あっ、あのさ、今夜のことだけどさ、あの。」
コンドームを見せれば意思が通じるだろう。

我輩は残った3つのコンドームを見せ、「今夜ふたりでこれを使っちゃいたいんだけど。」と夜の交渉に入るつもりで机の引き出しを開けた。
(なっ、ない。昨日のデブ女、全部持っていきやがった。)

「ゴメン、コンドームがないんだけど、どうしよう?」我輩は何を言っているのだ。

「下のセブンに売ってるから、それと歯ブラシも買ってきましょうね。」
やった、歯ブラシということは明日の朝までここに居るつもりなのだな。

これでもう交渉の必要はない、確認のため、「明日の朝まで一緒にいたいな、大丈夫?」

「飛行機は何時?11時、じゃあ9時にここを出れば間に合うわね。」考えて見れば今日だけでこの女に8,500Bも払ったのだ。
朝までやり狂うのが当たり前じゃないか。

オーンを膝の上に乗せて彼女の家族の話やチェンライの話をしていると、約束通り7時にヒアンがやって来た。

オーンを見たヒアンはびっくりして、「連れ出すんならオレに言ってよ。モーウェンがやるとこの前のミラーみたいに失敗することがあるから。」

「ミラーって何の話?」オーンが悪戯っぽい微笑みを浮かべ聞いてきた。

「さあ早く食事に行こう。9時過ぎちゃうとJFだ。」
我輩はその場を取り繕い、せかすように二人を部屋の外へ連れ出した。

1階のエレベーターボーイにヒアンがオーンの身分証明書を見せ何か話している。
「こうしておけば9時過ぎてもJFがかからないの。」
こういうところはヒアンは抜け目ない。

ロビンソンのMKに席を取った。
席につくなりオーンが「ちょっと。」と言って外へ出て行った。

10分経っても帰ってこない。
トイレにしては長過ぎる。

「まさか逃げたのでは?」
我輩は疑心暗鬼になっていた。

ヒアンは「ハハハ、そんなわけないでしょ。もし逃げたとしてもナタリーのコンシアに言えばすぐ連れ戻せるよ。」

しかし、無理やり連れ戻した女とやっても面白くも何ともない。



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メビウスの輪、第2章 (13)

そんな話をしていると、息を切らせながらオーンが戻ってきた。
「遠くまで行っちゃった。」と、ビニール袋に詰め込まれたもち米を差し出した。

わざわざ我輩のために近くの屋台まで買いに行ってくれたのだ。
といってもここはロビンソン、屋台まではかなりの距離がある。

ゴメン、オーン、疑ったりして。これからはもっと素直になります。
もち米をつまみながらタイスキに舌鼓を打つ、話ははずんだ。

気がつくとヒアンとオーンが我輩を見つめながらニヤニヤしている。

「何だよ。」と聞くとオーンが我輩の顔を覗きこみ、「私が逃げたって?それとミラージュの女に逃げられたんだって?エヘヘヘヘ。」

ヒアンのおしゃべりめ、でもまあいいや、オーンとも大分打ち解けた。
その後、ロビンソンをうろつき9時過ぎにホテルへ戻った。

JFゲートは無事通過。

オーンはかいがいしく冷蔵庫からビールを運んだり、ウーロン杯を作ったりしている。
そしてヒアンと我輩にはわからない早口のタイ語で楽しそうに歓談している。

このヒアンという男、悪い奴ではないのだが酒が入ると動かなくなる。

早く帰って欲しい。
もう11時なのだから我輩もそろそろオーンとやりたいよ。

まあいつもの調子で冷蔵庫のビールがなくなれば帰るだろう、もう少しの我慢。
我輩は焼酎を飲んでいたのだが最後の1本のビールをヒアンと分け合った。

「よし、このグラスで最後だ。」一気にグラスを開けた。
しかしヒアンはチビチビやっている。

オーンが「下のセブンでコンドームと歯ブラシ買ってくる。」と言って降りて行った。
この子本当に客とホテルに来るのが初めてなのだろうか?

我輩の経験からすると、ホテルに連れ込んだ風俗嬢というのはホテルのボーイの目を気にして決して部屋の外へ出ようとしない。
相当手馴れているのではないのだろうか?

しばらくして帰ってきたオーンの手にはハイネケンの大瓶2本が握られていた。
えっ、これでまたヒアンが帰らないよ。

オーンは単に気を利かせてビールを買ってきただけなのか、それとも我輩とやるのが嫌でヒアンを引き止めようとしているのか。



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プロフィール

山岳民族の雄

メビウスのポーンちゃんです。
タイの少数民族出身の43歳!!
ある日本人の援助でチェンマイ大学の日本語学科を卒業し、今はタイのチェンライで日本文学を研究しています。
日本人の旦那さんと一児の母
よろしくお願いいたします。

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