メビウスの輪


このブログでは日本人男性が描く、タイ人女性
との正解のない恋愛小説を公開しています。

どんなに傷つけあってもメゲない、日本人男性
独特の優しさと強さ(弱さも)から紡ぎ出される
愛の軌跡を追ってみましょう!

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第3章

メビウスの輪、第3章 (17)

我輩の20年来の友人にヤバー三等兵という男がいる。

元ヤクザだったのだがその根性なしの性格のため極道からそれてしまい、日比国際結婚の仲介やタイのジャパゆきシンジケート等で生計を立てている。

我輩を外道に落とし込んだ張本人でもある。

最近ではタイルートが不調なためインドネシアに進出しているのだが、この男の素晴らしい点は外国語をまたたくまにマスターしてしまうこと、この才能を生かせばわざわざヤクザにならなくても済んだのに。

三等兵の仕事のパートナーはティックというシンジケートのボスだった。
こういう仕事に手を染めるのは勿論華僑である。

ヒアンはかつてティックの下働きをしていたため我輩と知り合うこととなった。

ティックはあまりお友達になりたくない人種であったが、ヒアンは真面目で実直な青年だったので、我輩はバンコクにいる時はいつもヒアンを指名で世話をしてもらっている。

ティックも一時はアタッシュケースにバーツを一杯に詰め、12気筒ベンツを転がすほど羽振りが良かったのだが世に言う「悪銭身につかず。」である、ある時ギャンブルにハマり大借金をつくり、本妻と5人の妾を残して失踪してしまった。

帰国後も顔つなぎのためオーンとは定期的に連絡を取り合っていたのだが、10月に三等兵は訪泰することとなった。

我輩はオーンが欲しがっていた日本で発売されたばかりのGBAを三等兵に託し、オーンには彼の定宿であるパラッゾを訪ねるよう電話を入れておいた。

三等兵はちゃっかりとオーンに友達を紹介してもらい随分と安く楽しんできたようである。
彼の相手をしたのはナタリー1×9番ジーン、彼女は雲南省出身の24歳、17歳の時メーサイに売られエージェントが切れた後バンコクへ出てきたのだと言う。

三等兵曰く「オレもうすぐ還暦だけど今までにあんなに尺八のうまい女に出会ったことはなかったよ、この年になって口だけでイカされちゃったよ。」

三等兵はオーンから我輩へのおみやげを預かってきた。
エイの皮でできた財布、後でロータスで調べてみたら1,500Bの代物だった。今でも愛用している。



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メビウスの輪、第3章 (18)

さて12月となった。
子供の冬休みに合わせた恒例の訪泰である。

少しでも長くオーンと一緒にいたい、今回は仕事にかこつけてまず家族を先にチェンライへ行かせた。
我輩が後を追い、しかも夜便を使えば行きもバンコクでオーンと一泊出来る。

帰りも前回と同じ手を使えばまた2泊出来るな、ウッシシシ。

しかしながら妻にバレたら殺されること間違いない。

我輩はオーンに電話をかけ、午前1時にエメラルドに着くのでナタリーでの仕事が終わったらロビーまで来てくれるよう頼んだ。

しかし彼女は「いいよ、仕事休んじゃう。空港で待ってるから。TG773ね。」
そういうことならヒアンなんぞもういらない。

女が絡めば友情なんぞはブタのケツ。

しかしこの子、やること成すこと全部我輩の心の急所を突いてくる、もしかして風俗業界が長くて男の扱いに相当長けているのではないだろうか?

いやいやあそこはまだピンクだし形も崩れていない。

新人であることに間違いはない。
きっときれいな体で我輩を迎えたいのだろう。

全ては善意の解釈。

ドンムアンの税関を出ると果たしてオーンは待っていた。
こうして風俗嬢の出迎えを受けるというのは10年のバンコク外道歴でも初めてのことだったが、なかなか良いものだ。

だがちょっと待てよ、この子本当にオーン?ゴクミじゃないぞ、それにちょっと老けたような、よく見るとスッピンだ。(あれえ、失敗したかな、帰りは別の女にしようかな。)

などと考えているとディープキッス、我輩思考停止。

タクシーの運ちゃんが声をかけてきた。

「ダメ、白タクは高いから空港のタクシー使いましょ。」

何故チェンライの田舎娘がそんなこと知ってるの?

この子、他にも客を空港まで迎えに来たことあるんじゃないかな?

いやいやタイ人にとってはこれくらい常識だろう。善意の解釈。



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メビウスの輪、第3章 (19)

ホテルの部屋に落ち着き我輩は洋服やら果物やら日本からのおみやげを取り出した。

オーンは甘栗に目を輝かせ「これタイにもあるけどすごく高いんだよね。でもとってもおいしいの。」
この後、天津甘栗は必須のおみやげとなる。

「ところで今日いくら?」我輩は唐突に質問してみた。

「えっ?」

「あのさ今日は僕のために仕事休んじゃったでしょ。それでこれから僕と、その、あれでしょ。」

「いくらでもいいよ、エヘヘヘヘ。」

「そう言われると困っちゃうんだな。」

「じゃあ百万バーツ。」

このムスメ我輩をからかっているのか、しかしこの悪戯っぽい瞳は間違いなくあのオーンだ。
人間の第一印象というのは恐ろしいものである。

このスッピンのままでナタリーの雛壇に並んでいたいたとしたら我輩は指名しなかったかもしれない。

しかしこうなった今は愛しくてしょうがない。

「ところでオーンってナタリーじゃ1,700Bでしょ?そのうちのいくらが取り分なの?」「950Bなんだけどそのうちからタオル代とかスタッフのチップとか引かれて、でもお客さんからのチップがあるから1,000Bくらいかな。」

「それでお客は1日何人くらい?」

「いそがしい日は5人ていう時もあったしゼロの日もあった。だいたい2,3人ていうとこかな。」

3,000Bバーツという数字が頭をよぎった。

バスタブにお湯が溜まると前回と同じようにアッというまに素っ裸になり(しかしどうして風呂屋の女というのは色っぽく服を脱ぐということが出来ないのだ?)我輩を迎え入れた。

型通りの湯船の儀式が終わりいよいよ5ヶ月待ち焦がれた本番の瞬間、前回とは違う感慨があった。

何と言うか松茸と姫貝がピッタリフィットするという感触、我輩の目に狂いはなかった。

我輩にとって何百人かに一人の女だ。

ゴクミじゃなかったけどやっぱり帰りもこの子にしよう。
マッサージタイムを挟み2回戦が終了するとピッタリ2時間が経過していた。

やっぱり仕事されているだけなのかなあ。



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メビウスの輪、第3章 (20)

翌日もチェンライへ行く我輩をオーンは空港まで見送りに来てくれた。
我輩は感激してしまった。

仕事でここまでするのだろうか?
もうこの娘のことはいちいち疑うのはやめて素直な気持ちで接しよう。

「あのさ、チェンライに友達がいるって言ったでしょ。あれはウソで本当は僕の奥さんってタイ人なんだ。」
空港のレストランで真実を告白した。

これで終わってもしょうがない、でもオーンとの間は嘘で取り繕いたくない。
年甲斐もなく純情な気持ちになっていた。

「ウッフッフ、ヒアンから聞いて知ってるよ、ノンブア村でしょ、私の実家から車で20分くらいかな。」
あのバカ!あのおしゃべり!

「あっ、そう、あの、知ってたんだ。でっ、でもさ、タイ人の奥さんがいながら君とこうしている僕のことどう思う?」

気が動転してしまってなにをしゃべっているのかわからない。

「でも日本人の男の人って皆そうなんでしょ。」

外道諸君、ありがとう!

「う、うん、日本人って皆こうなんだよね。これが普通なんだ。うん、うん。とっ、ところでさ4日後にバンコクへ戻ってくるんだけど、あの、」

「TG133でしょ、大丈夫、ちゃんと迎えに来るから、仕事は勿論休んじゃう。」

我輩、この女に全てを見透かされているのではないだろうか?

財布から5万円を取り出し「これ、チェンライでカミさんに財布をチェックされると取り上げられちゃうから、オーン、預かっといて。」オーンを信頼してるということを形であらわしたつもり。

4日後、空港ではオーンが待っていた。しかしオーンだけではない、ヒアンもいる、ヤバい。
それに、えっ、ヤバー三等兵とこの時初対面のナタリー1×9番ジーンも。

何が起こったのか?

「先生、びっくりしたでしょ。急に用事ができてこっち来たんだけどジーンに連絡取りたくてヒアンに電話してオーンに呼び出してもらったんだ。」

ああそうですか。
ヒアンは我輩の股間を握りしめて、「元気?」うっ、怒ってる。

オーンからの恒例のキッスは、、、、なしでした。

エメラルドホテルに落ち着き我輩の部屋で5人で歓談しているとジーンの携帯が鳴った。

早口なので我輩には会話の内容がわからなかったが、まずオーンの顔色が変わり、続いてヒアンも、三等兵が我輩の耳元で囁いた。

「どうもヤバい話だな、入管がどうのこうの言ってる。」

その後、我輩はのけ者で4人の話し合いとなった。
ちなみに三等兵はタイ語ペラペラ。

途中でオーンが、「お願い、ジーンを助けてくれるようにモーウェンからもヒアンとヤバーさんに頼んで。」と言うので、我輩は訳がわからなかったが2人にジーンの力になるようにお願いした。

三等兵は、「詳しい話はオーンから聞いて、それと先生、大使館の一等書記官の名刺持ってたよな。ちょっと貸してくれ。」

「持ってるけどこの人もう5年前に日本に帰っちゃったよ。」

「大丈夫、悪いことには使わないから、タイ人のメンダー(ヒモ)一匹やつけて来るだけだから。」



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メビウスの輪、第3章 (21)

ヒアンと三等兵が出て行くとオーンは「さあ、私たちも出かけましょ。」

その後、我々はタクシーでジーンのアパートへ行き荷物を全部持ち出し、帰りにジーンがATMから10万バーツを引き出しホテルへ戻った。

しばらくするとヒアン達が意気揚揚と戻ってきた。
「いやいや大成功、あの野郎真っ青な顔して逃げてった。」

三等兵の話によるとさっきの電話はジーンの「彼氏」からだった。

このタイ人はジーンに、彼女がタイの入管に狙われていて入管の職員がこの男に接してきたというのだ。
今空港近くのホテルに2人でいて、入管職員に対し20万Bでジーンを見逃すよう話をつけたから金を持ってきてくれ、というものだった。

雲南の不法就労者であるジーンは完全に信じてしまった。
2人のタイ人も半分信じたようだ。

しかし元ヤクザであり、日本人のヤバー三等兵はウソを見抜いた。
我輩も言葉がわかれば見抜いたであろう。

三等兵曰く、メンダーが金目当てなことは一発でわかった。

まずヒアンとオーンに事情を話し納得して貰った。
次にオーンからジーンに、騙されているのだから男と別れるように説得させた。

ジーンも今まで何度も結婚をエサに金をせびられていたのでウスウス感づいていたし、納得した。

ジーンは貯金通帳とパスポートを男に渡しちゃってあるという。
ジーンにばれたことがわかったら男は預金の引き出しにかかるだろうから、ジーンのカードでお金を下ろさせた。

ATMは1日10万Bしか下ろせないから、午前0時を過ぎたらもう1回引き出せば20万全額が引き出せる。
今日はもう銀行は閉まっちゃったから通帳があってもどうにもならないさ。

20万貯金があるを知ってて20万要求するなんざはまだ素人だな。

ジーンにはアパート引越しさせちゃえば奴は追ってこれない、こうしておいてヒアンは華僑だから中国の公安警察、オレは先生から借りた名刺で公安に協力する日本大使館の書記官ということで奴らの部屋に乗り込んだんだ。

現役時代を思い出すぜ。

三等兵もかなりジーンに入れ込んでるんだな。
フェラチオ効果恐るべし。



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プロフィール

山岳民族の雄

メビウスのポーンちゃんです。
タイの少数民族出身の43歳!!
ある日本人の援助でチェンマイ大学の日本語学科を卒業し、今はタイのチェンライで日本文学を研究しています。
日本人の旦那さんと一児の母
よろしくお願いいたします。

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